おそらく第1次ブームは中学校ぐらいの頃に母がどこぞのデパ地下で高級肉まんを買ってきてくれたときだと思う。
コンビニの肉まんとは違い、小さくてきゅっとした本格中華まん。ジューシーで美味しかったため、割高なのにバクバク食べてヒンシュクだったのを覚えています。
第2次ブーム。
それは、肉まん、あんまん、カレーまん、ピザまんのベーシックまん以外に、ホイコウロウまんやらなんやらと、コンビニオリジナルまんが充実したときのことだった。
普段行かないサンクスで見つけた、なんとかまん(既に忘れている)は、コンビニ中華まんの常識(当時)をくつがえす、なが細い形だった。
コンビニ中華まんといえば、丸が普通だったが、そのなが細い形に度肝を抜かれ、興味本位で食べてみたところ、あまりの美味さにそれからしばらく食べ続けたのを覚えている。
今でこそ、ディズニーシーの餃子まんがなが細いので、なが細かろうがなんだろうが、ああいう生地で包まれていれば「肉まん系」であると思われているが、ほんと衝撃だった。
そして今、第3次ブームが訪れた。
先日、ヨーカドーを流していた時、「肉まんいかがですか〜?今できたての肉まんどうぞ〜。」と、ヤマザキの肉まんの試食をやっていた。
肉まんに魅了されたわけではなく、空腹だったため、「どれ・・・」と肉まんを試食してみたところ、意外とジューシーでうまい。
母に「あの肉まん買って」とお願いし(アラフォーの発言と思えまい。)、肉まんあんまん2個ずつセットを買い、母とそれぞれ1個ずつわけることにした。
あんまん、というのは、若い頃の私には「中華まんが甘いなんて邪道!」と思われ、おばちゃんが肉まんと間違えてあんまんを入れた時以外は食べなかった。しかし、中年を迎えた今、なぜかあんまんも妙に魅力的に映り、まずは、あんまんから食してみた。
袋に書いてあるレンジでの温め方を見ると、「500W 35秒 1000W 20秒」だかと書いてあった。注意書きには、「やりすぎると、生地がパサパサになるので気をつけろ」と書かれている。調子にのってあっためれば良いというわけではないらしい。うちのレンジは800W。・・・大体25秒ぐらいかな・・・。ということで、やってみた。
微妙にあったまった気がしなかったが、こんなもんなのかもしれないと自分に納得させ、食べた。あんこが美味しかった。
続いて母が肉まんを食べるというので、ついでに私の分も温めてもらうことにした。母はこういう微調整に弱いので、1個25秒程度だとつげたが、案の定2個同時に温めたため、温まりが弱く、「じゃ、もう10秒くらい」と言って、温めた。私は内心ドキドキしていた。この10秒で皮が硬くなって、食べれる代物じゃなくなってしまったらと、うっすらとイライラしたりしながら、レンジがチンというのをまった。
取り出してみると、先のあんまんのような微妙なあたたまり具合だったが、これ以上やると皮が硬くなる!という恐れが私を包み込んだため、私は「あ、あったまったあったまった」と、あたかもこれができあがりの理想であるかのように食べ始めた。
ところが、食べるの大好き3種体癖の母は、このできあがりに納得がいかなかったらしく、「皮が硬くなる」という恐れすら感じていないかのように(たぶん感じてない)、肉まんにさっと水をかけてラップで包み、「あと30秒ね」と言って温め始めた。
「そんなにやったら皮が硬くなって食べれたもんじゃない」と思う気持ち半分、「こういうときの3種の感は鋭いから、案外美味しくできあがるのかもしれない」という気持ち半分様子をうかがっていると、なんと、ほっかほかの絵に描いたような「THE・肉まん」ができあがった。
「あつっあつっ」などと、ハフハフ言いながら食べる母を横目で見ながら、絶対に自分はあたために失敗したと思われたくなかったので、悔しさを内に秘めながら、「案外この肉まん、美味しいよね〜」と言ってみせた。
そして、今度こそは絶対ほかほかを食べてやる!という決意を胸にしつつ、しかし、それを悟られないように「良ければまた買ってきて」とさりげなく依頼した。
母は私の気持ちを知ってか知らずか、ほどなくしてまた肉まんあんまんセットを買ってきてくれた。
「肉まんあるよ」と言われても、すぐに温めを実践すると、あたかも「前回失敗したことを気にしている」と思われるといけないので、大して興味のないそぶりで、「あ、そ。」と言ってみたりした。
すると母が、「今回はおまけつきだった」というので、「何?」と聞くと、なんと、「肉まんあっため簡易蒸し器」だった。ヤマザキ!オレの悔しさを察してくれたんやな!
やはり、「あっためが難しい」というご意見がヤマザキに相当数寄せられていたと思われ、信じられないくらいのありがたい特典が実現したのだ!
早速やってみたい気持ちを抑え、興味があまりない風に「あっため器なんてヤマザキも気が利いてるね」と言ってみたが、油断するとついついあっため器の話題にしてしまったりしたので、気づかれたかもしれない。(何を!?)
母が早速あっため器で肉まんを温めてみるということで、何やらセットしたりしていたが、見ると興味あると思われるといけないので、ガラスに映る反射で様子を少し確認したりしながら、できあがりの具合を探った。
母のセットはあいかわらず適当みたいだったが、それでも上手に温まっていた。
早くやりたい!
と思いつつ、その日はお腹がすかなかったので翌日に持ち越すことにした。
夜、キッチンをふと見ると、肉まんあっため器が、無下に置かれていた。
「私も使うのに!」とわき起こる怒りを抑え、興味があると悟られまいと、気づかれないように、さっと洗い、あっため器を次回に備えて、準備しておいた。
早くあっためたい。